【介護日記】介護のはじまり

ある日の朝、父が部屋から出てきません

母が部屋をのぞくと、布団にうつぶせのまま動かない父の姿がありました

母は慌てて「お父さんが変だよ!!」と私を起こしました

バタバタとした雰囲気を察したのか父は左目が細かく瞬きをしていたものの

微動だにせず、声もださないまま横たわっていました

父の様子を見た私はすぐに救急車を呼び、母は父に同行するために身支度を始めました

これは一大事だと心臓がどきどきしていながらも、119番へ電話した際に

住所と父の状況を取り乱さずに伝えられたので、すぐに救急車を手配してもらいました

救急車を待ちながら「これは熱中症なのかな。。。」と

素人なりに保冷剤なんかを出してみたのですが

結局枕元においたままになってしまいました

10分ほど経ったでしょうか、3人の救急隊員の方が到着しました

救急隊員の呼びかけにも応えず、最後に会話をしたのはいつなのか

お薬手帳はあるかなどいくつか質問を受け

すぐに自宅から運び出され、母とともに救急車で運ばれていきました

時は新型コロナウィルスが流行し緊急事態宣言が繰り返し発令されている時期です

私は家に残り在宅で仕事をしておりました

2時間ほど経ったでしょうか

母から電話があり「脳梗塞だって。もう助からないかもしれないって」と言葉少なめに説明がありました

公衆電話から硬貨でかけてきているので、通話可能な時間が短く

「これから入院の手続きをしてから帰る」とだけ聞いて通話は終わりました

電話を切ったあと、昼休み中に私は友人に電話をしました

友人のご家族に脳血管疾患の経験があるからです

「母親がお医者様から、脳梗塞で助からないかもって言われたらしい」と伝えたら

「私も言われたけど、救命の先生はその後の回復とかも知らないから、とりあえず最悪のケースを伝えるっぽいよ。あなたのお父さんがどこまで深刻かはわからないから期待させてしまうかもしれないけど。。。」と友人のご家族が入院した時のことを教えてくれました

他にも、今の病院には1ヶ月程度しかいられないこと

すぐに転院先の病院を探さなくてはいけないことなどを教えてくれました

夕方まで仕事をして、母が帰宅したので

病院に運ばれてからの話を聞き、親戚に入院したことを伝える電話を入れた

父の加入している保険の担当者にも連絡をして医療保険の請求をするための

申請方法などを聞ききました

母は入院に必要な着換えや入院費用の準備などをしていました

長いような短いような一日が終わり

今後の不安でなかなか寝付けない日でした

つづく

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